知恵
更年期について知っておきましょう
骨や血管の健康にも大きく関わる! エストロゲンの働き
さらにエストロゲンは、「動脈硬化」や「骨粗鬆症」などの病気を防ぐうえでも重要な役割を果たしています。
エストロゲンの動脈硬化抑制作用
エストロゲンは、動脈硬化の原因となる血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の増加を抑え、善玉コレステロールを増やして動脈硬化を抑える働きがあります。女性ホルモンの分泌が盛んな時期は、動脈硬化や心臓病、高血圧などの病気になりにくく心・血管系疾患のリスクは男性よりずっと低いのですが、更年期以降になるとエストロゲンが急激に欠乏することで心・血管系の病気が急増し、男性の頻度に近づいてしまいます。
年齢と性別にみた、心・血管系疾患の発生頻度

エストロゲンの骨量増加作用(骨粗鬆症予防)
また、エストロゲンには、骨を丈夫に維持する働きもあります。 エストロゲンには、骨を破壊する破骨細胞の働きを抑えたり、カルシウムの吸収を助けることで骨密度を増加させる大切な働きがあります。このため、閉経によって女性ホルモンの分泌が急速に減少すると、骨密度が低下して骨粗鬆症が起こりやすくなります。実際、閉経後の女性の骨粗鬆症の有病率は、男性の約3倍に達しています。
女性ホルモンと骨量の変化

骨粗しょう症有病率の性・年代別分布

これらの疾患の怖いところは、初期の段階では自覚症状はほとんどないということ。しかし進行すると、動脈硬化では心臓病や脳血管障害、骨粗鬆症では骨折による寝たきりなど、いずれも生命にかかわる病気を引き起こす原因になります。こうした疾患を予防するためには、エストロゲンの作用をよく知り、更年期の時期から積極的にケアをしていくことがとても大切です。
大豆由来のイソフラボンから
つくられる「エクオール」

エストロゲン(女性ホルモン)に似た働きをする栄養素としては、大豆イソフラボンがよく知られています。最近の研究で、その働きのもとになっているのが「エクオール」という物質であることが分かってきました。大豆由来のイソフラボンが、腸内細菌によって「エクオール」に変わり、エストロゲンによく似たパワーを発揮していたのです。
今では、この「エクオール」をサプリメントで手軽に摂ることが可能になっています。
更年期のケアはもちろん、自分にあったサプリメントを上手に活用することがウェル・エイジングを叶える秘訣といえそうです。
5分で理解。エクオールと更年期