おもな発生部位と名称
がん細胞が乳管や小葉を包む
基底膜を破って外に出ている
乳癌は、乳腺組織に発生する悪性腫瘍です。
乳腺組織は母乳を作る「小葉」と母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」に分けられます。
乳管から発生したものを「乳管がん」、小葉に発生したものを「小葉がん」、乳管開口部付近に発生したものを「パジェット病」と呼びます。乳癌の約90%は乳管から発生した乳管がんです。
悪性腫瘍とは?
細胞が異常に増殖してできたものを「腫瘍」といいます。腫瘍の発生には遺伝子の変異が関係しますが、変異がいくつも重なることで周辺の組織に浸潤したり、他の臓器に転移するものが悪性腫瘍です。悪性腫瘍は放置すると全身に転移し、最終的に命を脅かすことになります。
一方、良性腫瘍は、遺伝子の変異は少なく、増殖しても浸潤したり転移することがないので、一般に命を脅かすことはありません。
腫瘍が良性か悪性かは、生検や細胞診で、細胞の顔つきや組織の状態を調べる病理検査で判別します。
部位別の発生頻度
全国乳癌患者登録調査報告 第32号2000
乳癌が最もできやすい部位をエリア別にみると、左右ともにわきの下に近い乳房の外側上部が半数近くを占めており、次に内側上部外側下部と続きます。外側上部が多いのは、この部分に乳腺組織が最も多く集まっているためと考えられています。