乳癌リスク度チェック

世界で最長寿を誇る日本は、同時に健康を気づかう国でもあります。そんな我が国で老若男女を問わず人々が最も気になる病気が癌です。その癌のなかで特に最近、若い30歳台の女性に急増しているのが乳癌です。中高年に多くなる自覚症状の乏しい成人病のひとつに挙げられます。
また、有名人の乳癌や遺伝性の乳癌予防のための乳房切除などがマスコミで取り上げられることも多くなり、あなたの周囲の女性から、「乳がん検診を受けてきた」、「乳がん検診で精密検査が必要といわれた」などの、乳癌や乳がん検診に関する話題を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
ここでは、あなたご自身の「乳癌リスク度」を判定してみましょう。質問に沿ってチェックしてみてください。

あなたご自身の「乳癌リスク度」を判定してみましょう。質問に沿ってチェックしてみてください。

内容を監修した医師のご紹介
写真:福島久喜(ふくしまひさき)
福島ふくしま 久喜ひさき
東京医科大学八王子医療センター乳腺科
前国際医療福祉大学病院乳腺外科教授

乳腺外科医。医学博士。昭和51年、杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部外科、東京慈恵会医科大学外科准教授を経て国際医療福祉大学病院乳腺外科教授。外科学会、乳癌学会専門医、指導医。
定年退職した現在は、東京医科大学八王子医療センター、八王子山王病院他で非常勤の乳腺外来医。健康維持のために水泳や高齢者仲間とのテニスなどスポーツを楽しんでいる。

あなたの乳癌リスク度を診断します。すべての質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。

Q1 30歳を過ぎた

女性の癌で最も多いのが乳癌で、我が国では年々増加しています。乳癌になる人は30歳を過ぎると若干増加し、30歳台後半で急増するといった特徴があります。乳癌を含むすべての癌で最も大切なのは、早期発見です。そのために重要なのは、乳癌に関心をもつことです。まずは乳癌の正しい知識を身につけることから始めましょう。

Q2 乳癌にならないようにサプリメントを飲んでいる。

ホルモン依存性の乳癌は、女性ホルモンのエストロゲンにより癌細胞が増殖します。早い初潮、遅い閉経などにより、エストロゲンが長期間分泌すると、乳癌のリスクが高くなります。また、ホルモン補充療法、経口避妊薬の服用も、わずかですがリスクが高くなります。このようなホルモン環境以外のリスクファクターには、他の癌と同様に、閉経後の肥満、アルコール摂取、喫煙、糖尿病などがあります。
一方、乳癌のリスクを下げるファクターには、妊娠、出産、授乳、閉経後の運動、大豆食品(イソフラボン)などがありますが、健康食品やサプリメントの効果は不明なことが多く、乳癌の明らかな予防になるとはいえないのが現状です。
結局、女性のホルモン環境は、現代の女性が置かれている社会環境そのものといえます。まずは、日常の生活習慣を振り返ってみることが大事です。

Q3 家族(二親等以内)に癌患者がいる。

外来でよく耳にするのは、「我が家は癌家系です」というような訴えです。「はい」は、リスクがあります。乳癌のうち、遺伝性の乳癌は5~10%です。また、乳癌の人が家族や親戚にいなくても、遺伝性乳癌が濃厚なこともあります。遺伝性乳癌とは、BRCA1やBRCA2 と呼ばれる遺伝子変異のある人が発症する乳癌のことで、これらの遺伝子変異がある人は卵巣癌も発症しやすい傾向にあることがわかっています。

Q4 乳がん検診は、いつも受けている。

「いいえ」ではリスクがあります。市町村の乳がん検診は、マンモグラフィのみか、触診+マンモグラフィが一般的です。しこりを触れなくてもマンモグラフィの微細石灰化陰影によって乳癌がみつかることがあります。「面倒くさい」「マンモグラフィは痛いからいやだ」などといわずに検診を受けましょう。検診後の「異常なし」の結果は、大きな安心が得られ、健康に対し自信になります。

Q5 乳がん検診のマンモグラフィの結果で、いつも「石灰化」が指摘される。

「はい」でも心配ありません。石灰化というのは、血液に含まれているカルシウムが、乳管や乳腺組織にパラパラと沈着しているもので、マンモグラフィでは点状・粒状の白い影として写ります。もしもこれまでと違って石灰化が新しく発見されたときは、非浸潤性乳管癌1)を疑います。微細石灰化2)の所見があってもしこりを触れなければ、マンモトームや超音波ガイド下に細胞診、針生検(組織診)を行います。毎回、検診のマンモグラフィで引っかかる人は、「要精査」の結果をよく理解しておきましょう。

■用語解説
1)非浸潤性乳管癌(ひ・しんじゅんせい・にゅうかんがん)
乳癌は、しこりをつくる浸潤性乳管癌と、乳管の中だけを拡がっていく非浸潤性乳管癌に分けられる。ほとんどの乳癌が浸潤性乳管癌であるが、しこりをつくらない非浸潤性乳管癌もある。微細石灰化があるものではマンモグラフィで診断する。
2)微細石灰化(びさい・せっかいか)
石灰化というものは、骨でもないのにエックス線写真で白く写るものをいう。正常乳腺にもみられるが、乳癌では癌細胞の壊死物質にカルシウム(骨の主成分)が沈着することで、微細で大小不同な石灰化陰影の所見がマンモグラフィで認められる。

Q6 ときどき乳房の痛み、張る感じ、違和感を覚える。

これらは乳腺外来で最も多い主訴で、乳腺症の症状です。乳腺症は、片側または両側の小結節が軟らかいしこり(硬結)になり、痛み、張る感じ、違和感などを伴います。ただし、正常乳腺でも生理前に同様な症状が生理痛の一種として起こることがあります。左右の乳房を比べて片側だけにしこりを感じたり、しこりかどうか迷ったときは、乳腺外来の受診をおすすめします。

Q7 20歳台で線維腺腫の摘出手術を受けている。

若い時に線維腺腫3)の手術をしていても、乳癌になりやすいことはありません。気になる「しこり」は安心して手術で摘出してください。また、乳腺症も、将来癌化する心配はありません。

■用語解説
3)線維腺腫(せんい・せんしゅ)
10~20歳台に多い良性腫瘍であり、いわゆる「癌」ではない。硬く、丸いため乳腺の中でコロコロとよく動くのが特徴である。小さいものは放っておいてよいが、大きいもの、急に大きくなったときは腫瘤摘出手術が必要である。

Q8 乳房に硬いしこりがある。

「はい」はリスクが大です。実は、乳癌は検診よりも外来受診でみつかることが多いのが現状です。ただし、2.0 cm までの早期癌でみつかることが以前より増えてきました。乳癌の主訴は「硬いしこり」ですが、乳腺組織や皮下脂肪の中に芯のようになった乳癌は、軟らかいしこりとして触れます。自己検診でしこりなどの気になる変化を感じたら、すすんで乳腺外来を受診し、マンモグラフィを撮りましょう。しこりが軟らかいからといって、乳腺症と自己判断しないことが大切です。

Q9 乳房の皮膚にえくぼのようなくぼみがある。

乳頭の上側のえくぼのようなくぼみ、下側ではバストラインの引き連れでその下が硬かったり、しこりがあれば乳腺外来を受診してください。乳癌が乳腺内の靱帯を巻き込むと、皮膚はくぼみ、乳頭は陥没します。えくぼ症状4)や陥没乳頭は、目で見てわかる乳癌の所見です。

■用語解説
4)えくぼ症状
乳腺組織を支えるクーパー靱帯を癌が巻き込むためにみられる皮膚のくぼみで、進行癌が皮膚まで浸潤した所見ではない。

Q10 乳頭から血液の混じった分泌物(黄色~茶色)がみられる

乳首の乳管から出る分泌物が、乳汁のようなうすい白色でなく、血性乳頭分泌(血液の混じった分泌物)のときは、乳頭陥没やしこりがなくても乳癌が疑われます。若年の場合は、癌でない乳管内乳頭腫のこともありますが、高齢者であれば、しこりやマンモグラフィでの微細石灰化がなくても、ほとんどが乳癌です。乳頭分泌物を詳しく調べるためには、細胞診と呼ばれる検査を行います。

Q11 片側の乳頭や乳輪にただれたような湿疹がある。

「はい」は、パジェット病という乳癌のリスクが大です。ただし、パジェット病はごく稀な疾患です。湿疹は皮膚科に受診することが多いと思いますが、パジェット病を知っている皮膚科医であれば、乳頭や乳輪の擦過細胞診、皮膚生検を行って乳腺外来を紹介します。パジェット病はしこり、微細石灰化、乳頭分泌がなく、皮膚症状のみの特殊な乳癌です。

Q12 ときどき、乳房の自己検診(触診)をやっている。

「いいえ」ではリスクになります。がん検診の普及で胃癌、大腸癌、子宮癌の早期発見が増えました。乳癌は、体の表面にできるため、しこりに気づいて外来受診されることが多いのですが、乳癌の認識度が上がったおかげでしょうか、早期癌でみつかる機会が増えています。生活習慣として月に1度は、入浴時に鏡で乳房をよくみましょう。そして、からだを洗うときには石鹸のついた手でしこりがないか、乳房をつかむことなく、上から触れましょう。乳癌はあなたが自分で早期に発見できる癌なのです。

あなたの乳癌リスク度は、

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