乳癌検査に関するリサーチ結果

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日本の乳癌の罹患率は、30歳代から急上昇し、 40代後半から50代の働き盛りにピークがみられるのが特徴です。乳癌は、早期に発見し、早期に治療すれば、治癒が目指せる疾患です。そのため、早期発見がとても重要となります。この早期発見に有効な乳癌の検査が、「超音波検査(エコー)」と「マンモグラフィ」です。これらは、年齢に合った検査方法を選択する必要があります。

今回は、乳癌既往がない女性が1年に1回乳癌検診を受ける場合のおすすめの検査についての調査結果をまとめます。

エコーとマンモグラフィどちらを受けるべき?医師が推奨する乳癌検査項目

Q.1年に1回の乳がん検診項目、おすすめは?

  • エコー検査のみで問題ない(60代 2.5、50代 2.5、40代 1.3 、30代 24.1)
  • マンモグラフィのみで問題ない(60代 41.8、50代 31.6、40代 12.7 、30代 7.6)
  • 両方受けた方が良い(60代 40.5、50代 58.2 、40代 67.1 、30代 36.7)
  • 毎年交互に受けた方が良い(60代 11.4、50代 6.3、40代 15.2 、30代 16.5)
  • 検査は不要(60代 1.3、50代 0.1、40代 0 、30代 6.3)
  • その他(60代 2.5、50代 1.3、40代 3.8 、30代 8.9)
※単位:%

30代と40代以上では傾向が分かれる結果となりました。36.7%の医師が「両方(エコーとマンモグラフィ)受けた方がよい」とする一方、2割以上の医師は「エコー検査のみで問題ない」と回答しています。

医師コメントには、「定期健診は不要。自己検診にてしこりなどがあれば、触診、超音波検査等を実施。」と、過度に検査する必要はないとする回答のほか、「マンモグラフィで乳腺が高濃度の場合はエコーを勧めるが、それ以外は交互もしくはマンモグラフィのみ。」という回答も。若い女性は乳腺が多く、マンモグラフィでは乳癌との区別が付けづらいことが理由としてあるようです。

40代、50代では半数以上の医師が「両方受けた方がよい」と回答しています。60代では「両方受けた方がよい」回答が40.5%に対して「マンモグラフィのみで問題ない」回答が41.8%と逆転しています。

10月は乳癌検査の早期受診を促す「ピンクリボン運動」のキャンペーンが各地で行われています。ぜひ本リサーチ結果を参考にご判断ください。

調査概要

  • 医療従事者専用サイトm3.com会員で乳癌診療を行っている医師
  • 調査期間:2012年8月30日 - 2012年9月5日
  • 有効回答者数:79

エコー、マンモグラフィってどんな検査?

医知恵 乳がんのトップページでも紹介している乳癌ナレッジより抜粋します。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査(エコー検査) 説明図
プローブを動かしながら、乳房内部を確認します。

マンモグラフィは確かに有効ですが、閉経前でいわゆる高濃度乳腺(デンスブレスト)の人では、正常な乳腺組織の中にある乳がんを区別してみつけることが難しい場合があります。その場合、超音波検査(エコー検査)が乳癌の発見に役立つことがあります1)

エコー検査は、乳房に超音波をあて、はね返ってくる反射波を画像化した検査です。乳房表面にゼリーを塗って、その上からプローブと呼ばれる機械をあてて乳房内部を写します。

マンモグラフィのように微細なしこりや石灰化を写すことには適していませんが、乳房の内部の構造を観察しながら、触診では検出できない小さな病変を見つけることができます。痛みはなく、X線を使わないので、何度でも検査を受けられ、妊娠中でも検査が可能です。

マンモグラフィ

マンモグラフィ検査 説明図
乳房を挟んで上下、左右方向から撮影します。

マンモグラフィは、しこりとして触れる前の早期乳癌を発見できる可能性があり、欧米では乳癌による死亡者数を20~30%減少させたと報告されています。現在、日本におけるマンモグラフィ検診の対象は40歳以上で、40歳未満に対する効果に関しては報告がありません1)

マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン検査をいいます。乳房を挟みながら圧迫して薄くのばし、上下、左右(内外)方向から1枚ずつ撮影します。小さいしこりや、しこりになる前の石灰化を映し出すことができるため、乳癌の早期発見に威力を発揮します。

ただし、乳腺組織が密な若い女性では、X線の画像が白くかすんでしまい、しこりをみつけにくいことがあります。また、X線撮影のため、妊娠している方には不向きです。

「石灰化(せっかいか)」ってなあに?

石灰化とは、乳管のなかにカルシウムが沈着することによって起きる変化のことをいいます。マンモグラフィでは、石灰化は真っ白な砂粒のような影に見えます。がん細胞は、増殖するとともに一部は死滅し、その部分に石灰が沈着します。そのなかには早期の乳癌が含まれることもあります。このため、石灰化は乳癌を疑うサインとなりますが、乳腺症など良性の乳腺の病気でもみられるため、石灰化がすべて乳癌と関係しているわけではありません。

1)日本乳癌学会編:患者さんのための乳癌診療ガイドライン2016年版

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