乳癌発症リスクに関するリサーチ結果
乳癌は遺伝的な要因が発症に関連すると言われており、日本乳癌学会による「乳癌診療ガイドライン」では「家族(特に母姉妹)が乳癌になったことがある」ことが乳癌発症リスクとして明記されています。
今回は、「家族に乳腺症や線維腺腫などの良性腫瘍の既往」があることも本人の乳癌発症リスクに関係するのかを医師に聞きました。
「家族に乳腺症や線維腺腫の既往」は乳癌リスクにならないと54%の医師が回答
半数以上の医師が「家族に乳腺症や線維腺腫の既往がある」ことは乳癌発症リスクにはならないと回答しました。
一方、コメントの中には「乳腺症の一部はリスクファクターだと思います。」「増殖性乳腺疾患は、乳癌のリスクと考えます。」というコメントも見られ、腫瘍の性質によっては発症リスクとなるものもあると考えられます。
過度の心配は不要ですが、ご家族が罹患された場合は担当の医師に遺伝性があるかを確認することも予防の一つと言えるでしょう。
調査概要
- 医療従事者専用サイトm3.com会員で乳癌診療を行っている医師
- 調査期間:2012年8月30日 - 2012年9月5日
- 有効回答者数:79
ガイドラインで明記されているその他のリスクは?
日本乳癌学会による「乳癌診療ガイドライン」では、以下の要因が乳癌発症リスクとして挙げられています。合わせてご参照ください。
乳癌の主なリスク要因
- 初経年齢が若い
- 初経から閉経までの期間が長い
- 高齢初産(または出産歴・授乳歴がない)
- 閉経後の肥満
- 良性の乳腺疾患になったことがある
- 家族(特に母姉妹)が乳癌になったことがある
- 出生時の体重が重い
- ホルモン補充療法(プロゲステロン併用療法)の長期施行
- 放射線の被曝
- 喫煙
- 夜間勤務
- アルコールの摂取量が多い など
参考:日本乳癌学会編「乳癌診療ガイドライン②疫学・診断編」2011年版
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