乳癌発症リスクに関するリサーチ結果
今回は、仕事や家庭などにおける心理的ストレスと乳癌発症リスクについての調査結果をまとめます。
仕事・家庭などの心理的ストレス。「乳癌発症リスクになる」が44%
44%の医師が「仕事や家庭などの心理的ストレスは乳癌発症リスクになる」と回答しています。「具体的なエビデンス(根拠が明確な情報)がない」というコメントがありました。
「どちらとも言えない」の背景としては、ストレスそのものか、ストレスを発生させる生活習慣によるリスクかが判別できない点があるようです。他には、「ホルモンの分泌に影響する可能性はある」とのコメントがあり、乳癌発症リスクを間接的に高めてしまうこともあるかもしれません。
調査概要
- 医療従事者専用サイトm3.com会員で乳癌診療を行っている医師
- 調査期間:2012年8月30日 - 2012年9月5日
- 有効回答者数:79
ガイドラインで明記されている「リスク」もあります
日本乳癌学会による「乳癌診療ガイドライン」では、以下の要因が乳癌発症リスクとして挙げられています。合わせてご参照ください。
乳癌の主なリスク要因
- 初経年齢が若い
- 初経から閉経までの期間が長い
- 高齢初産(または出産歴・授乳歴がない)
- 閉経後の肥満
- 良性の乳腺疾患になったことがある
- 家族(特に母姉妹)が乳癌になったことがある
- 出生時の体重が重い
- ホルモン補充療法(プロゲステロン併用療法)の長期施行
- 放射線の被曝
- 喫煙
- 夜間勤務
- アルコールの摂取量が多い など
参考:日本乳癌学会編「乳癌診療ガイドライン②疫学・診断編」2011年版
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